エッセンシャルオイル(精油)とは
、植物の花、葉、茎、果皮、樹皮、根、種、樹脂などに含まれる有効成分をそれぞれの抽出法(下記参照)を用いて採取される揮発性の「芳香物質」です。
エッセンシャルオイルのほとんどは液体で(まれに室温で固体状ないし半固体状のものもあります)、透明無色あるいは淡黄色をしています。例外的にジャーマンカモミールやヤローは青色、バレリアンは緑色をしています。
有効成分をを高濃度に含んだ
エッセンシャルオイル
はそれぞれ独特の「香り」を持つ「芳香性」で、空気に触れると蒸発する「揮発性」です。この揮発度(蒸発する速度)は、それぞれのエッセンシャルオイルによって異なります。
揮発度が低いエッセンシャルオイル(蒸発するのに時間を要するエッセンシャルオイル)は長い時間において香りが持続し、逆に揮発度が高いエッセンシャルオイルは早い時間に香りが消えます。
このように揮発度が高いものを「トップノート」、揮発度が低いものを「ベースノート」、中間のものを「ミドルノート」と分類され、香水の調合等に役立てられています。
ひとつのエッセンシャルオイルには100種類以上の化合物が混合されています。つまり
エッセンシャルオイル
は植物自身が自らつくり出しミックスした有機化合物を集めたものなのです。
この化合物類は相互に関連しながらもそれぞれ違った化学構造を持ちます。そのためにエッセンシャルオイルそれぞれが違った香りを持ち、違った薬理作用、場合によっては毒性を持つことになります。
同じ種類の植物からなるエッセンシャルオイルでもこの化学物質の含有量が違ってくることがあります。同種の植物でも世界の様々な場所で育ちますので、その土壌や気象、高度、収穫の時期、収穫時間によっても変化すると考えられています。
このような微妙な条件の差違により化学構造の変動を生じたものを、標準的なエッセンシャルオイルと比較し「ケモタイプ」と分類されます。
ケモタイプとして代表的なものとしてタイムがあげられます。通常市販されているタイムにはチモールという刺激特性を持つ化合物を多く含有しますが、このチモールをほとんど含まずリナロール等の化合物を多く含むケモタイプがあります。
今後、このような化学構造の変動を明確にする技術が進めば、多くのエッセンシャルオイルについてこうした分類が行われるようになるのではないかと考えられています。 |